アボダート(ザガーロ/アボルブ同成分)

アボダートは、日本国内で承認されているアボルブカプセルやザガーロカプセルと同じ有効成分であるデュタステリドを含有している医薬品です。
強力な男性ホルモン作用を持つジヒドロテストステロン（DHT）の生成を抑制し、肥大した前立腺を縮小させ、尿の排泄を促したり頻尿や残尿などの症状を改善したりします。

また、アボダートは、前立腺肥大症の他、AGA（男性型脱毛症）にも効果を発揮することが特徴です。
有効成分のデュタステリドは、5αリダクターゼ（5α還元酵素）の働きを阻害してジヒドロテストステロンの産生を抑制する働きがあるため、AGAの進行を抑えられます。

アボダートは、Ⅱ型の5αリダクターゼのみを阻害するフィナステリドに対して、Ⅰ型とⅡ型の両方を阻害する働きがあります。そのため、より高い効果が期待できる薬です。

アボダートの効果的な飲み方は？

アボダートは、治療目的によって服用量が異なります。
前立腺肥大症の治療を目的とする場合、成人はデュタステリドとして1回0.5mgを1日1回経口で服用します。
これにより、前立腺の肥大を抑え、排尿困難などの症状を改善することが可能です。

一方、AGAの治療では、成人は通常1回0.1mgを1日1回服用し、必要に応じて0.5mgまで増量します。

治療目的にかかわらず、アボダートは血中濃度を一定に保つため、毎日同じ時間に継続して服用することが基本です。
飲み忘れた場合は気付いた時点で速やかに服用し、2回分をまとめて飲まないようにしましょう。
特にAGA治療が目的の場合は、効果が実感できるまでに6か月ほどかかるため、医師の指示に従って服用を続けることが大切です。

アボダートの偽物と見分け方はある？

アボダートには、偽物が流通しているケースがありますが、見た目のわずかな違いで本物と区別できる場合があります。
正規品のアボダートは、薄い黄色をしたカプセル状です。
カプセルの形状やサイズ、表面のツヤ、刻印の有無やフォントが異なる場合は、注意しましょう。
偽物では、カプセルの大きさや色が違うことがあります。

また、外装パッケージの印字がかすれていたり、フォントや配置が異なったりすることもあるでしょう。
さらに、価格が極端に安い商品や販売元の情報が不明瞭なものは、偽物の可能性が高いと考えられます。

確実に正規品を入手するには、医師から処方してもらったり、信頼できる正規の通販サイトを利用したりすることが大切です。

アボダートの服用を控えるべき方

アボダートの成分や、他の5αリダクターゼ阻害剤に対して過敏症の既往歴がある方は服用できません。
誤って服用すると、重篤なアレルギー症状が出たり、過敏症が再発したりする恐れがあります。

また、アボダートは女性には服用禁忌です。
動物実験で有効成分のデュタステリドを投与したところ、雄胎児の外生殖器の雌性化が認められています。
ヒトが服用した場合も、男性胎児の外生殖器の発達を阻害する可能性があるため、女性は絶対に服用しないでください。
触れるだけで皮膚から有効成分が吸収される可能性があることから、濡れた薬剤には触れないようにしましょう。

この他、小児に対しての適応がないため、成人以外の方は服用できません。
重度の肝機能障害がある方が服用は厳禁です。
血中濃度が過度に上昇して副作用があらわれやすくなる恐れがあります。

【監修者コメント】

アボダートに関する情報は、信頼性の高い国内の医薬品データベースやデュタステリド製剤に関する臨床文献、インタビューフォームなどをもとに作成しています。
医薬品としての有効性や安全性を踏まえ、薬剤師監修のもとで正確性と中立性に配慮しています。
アボダートは、前立腺肥大症やAGAの治療に用いられる薬です。
安全性が確認されている薬ですが、体質や併用薬によって効果や副作用のあらわれ方が異なる場合があります。
そのため、使用を開始する際は、必ず医師や薬剤師に相談し、指示された用法用量を守って服用することが重要です。

アボダートの保管方法

アボダートは、室温（1～30℃）で保管してください。
直射日光や高温・多湿の場所を避け、安定した環境で保管することが大切です。
特に、洗面所や車内など温度や湿度の変化が大きい場所での保管は避けてください。
また、誤飲や事故防止のため、小児の手の届かない安全な場所に保管することも重要です。

品質の変化を防ぐため、他の容器への入れ替えは行わず、必ず元の容器やシートのまま保管してください。

有効期限が過ぎた製品は、成分が劣化して効果が十分に得られない可能性があるため、使用を控えましょう。
安全かつ効果的に使用するためにも、保管環境と期限の確認を行うようにしてください。

メーカー

アボダートは、GSK（グラクソ・スミスクライン）によって製造販売されています。
GSKは、1715年にプラウコート薬局が設立されたのが創業のきっかけです。
世界の製薬会社20社の中で、2位にランクインしている大手企業として知られています。
65,000人以上もの人材を抱え、世界中に医薬品を供給しています。